「医療ツーリズム」という言葉をご存じでしょうか。
その意味は、自国よりも医療水準の高い国に行って治療を受けるというものであり、日本では「医療観光」とも呼ばれています。
アジア諸国では、2000年代初めの頃から、医療ツーリズムに対する関心が深まっていきました。
タイやシンガポールなどでは、インバウンドの増加を狙う国策として取り組まれ、日本にも大きな影響を与えています。
それに伴い、日本政府も2010年頃から「新成長戦略」として医療ツーリズムの促進に力を入れ始め、医療滞在ビザの発行など整備を進めていきました。
時を同じくして、国内の病院のJCI認証(安全性が確保されており、品質の高い医療が提供されているという証)を海外へのアピールのツールとして導入しました。
また、この政策を遂行するために一般社団法人も設立されました。
同法人は、外国人の受け入れを行っている施設を「ジャパンインターナショナルホスピタルズ(JIH)」として推奨し、情報発信を行っています。
さらに、外国人患者と受け入れ医療機関とを繋ぐ架け橋の役割を担ったり、通訳の手配も同法人が行っています。
こうした努力もあり、少しずつ医療ツーリズムの需要は広まってきています。
医療ツーリズムというグローバル化の動きに合わせて、医療従事者の英語教育が急務の課題となっています。
しかし、英語教育といっても、早急に習得できるわけではありません。
そこで役に立つのが、翻訳アプリ等のITの力です。
翻訳アプリの活用法などを周知し、誰もが英語に対応できる体制を整える必要があるでしょう。